ピックルボールの基本ルールとスコアの数え方
サーブから得点まで、最初に覚えたいルールを整理します。
サーブのルール
ピックルボールのサーブはアンダーハンドに限られます。テニスのようなオーバーヘッドサーブは使えません。次の条件をすべて満たす必要があります。
- 手首が腰(へそ)よりも低い位置で打つ
- 打点は手首よりも低い位置にする
- 片方の足がベースラインよりも後ろに着いた状態で打つ
- 対角線上のコートへ、相手のノンボレーラインを越えて、ベースラインとサイドラインに囲まれたエリアに入れる
ノンボレーライン上に落ちたサーブはフォルトです。ライン際を狙うより、確実に入れることを優先しましょう。
サーブのやり直しとネットイン
サーブは1本のみで、テニスのようなセカンドサーブはありません。失敗した時点でフォルトになります。
ネットに触れたサーブも、正しいサービスコートに入っていればそのままインプレーです。かつては「サービスレット」としてやり直しでしたが、2021年の改正で廃止されました。2026年版の公式ルールブックでも、サーブは「ネットに触れても触れなくても、ノンボレーゾーンを越えて正しいサービスコートに入ること」と定められています。
ネットに触れた後にノンボレーゾーン内やそのライン上へ落ちた場合は、やり直しではなくフォルトです。ネットインの音がしても、まずは落ちた場所で判断してください。
やり直し(リプレー)になるのは、スコアのコールが間違っていてリターン前に指摘された場合や、外部からの妨害があった場合など、限られた場面だけです。
ツーバウンドルール
ピックルボール特有の規則で、ダブルバウンドルールとも呼ばれます。サーブされたボールはレシーブ側が必ずワンバウンドさせてから返し、その返球もサーブ側が必ずワンバウンドさせてから打ちます。
つまり1球目と2球目は必ずバウンドさせ、3球目以降はノーバウンド(ボレー)で打ってかまいません。この規則があるため、サーブ直後にネット前へ詰める戦術が使えず、ラリーが続きやすくなっています。
ノンボレーゾーン(キッチン)

ネットを挟んだ両側 2.13m(7フィート)のエリアがノンボレーゾーンです。通称「キッチン」と呼ばれます。
この中からボレー(ノーバウンドで打つこと)はできません。またボレーをする際にゾーン内へ足が入った場合もフォルトになります。一方、ワンバウンドしたボールであればゾーン内で打ってかまいません。
ボレーを打った勢いで踏み込んでしまうケースが多いので、打った後の足の位置にも注意してください。
得点の仕組み
サーブ権があるときのみ得点できます。レシーブ側がラリーを取っても点は入らず、サーブ権が移動するだけです。
11点先取で勝ちですが、10対10になった場合は2点差がつくまで続けます。大会形式によっては15点制や21点制が使われることもあります。
ダブルスのサーバー交代とスコアコール
ダブルスでは、ペアそれぞれに1球ずつサーブの機会が与えられます。1人目がポイントを失うと2人目に交代し、2人目も失うと相手側へサーブ権が移ります。
ただしゲーム開始時だけは例外で、最初のサーブ側は1人目がミスした時点で相手にサーブ権が移ります。
スコアは3つの数字で伝えます。「自分たちの点数・相手の点数・自分がペアの中で1人目か2人目のサーバーか」の順です。たとえば「4-2-1」なら、自分たち4点、相手2点、1人目のサーバーという意味になります。
フォルトになる主な場面
ラリーが止まる典型的なケースをまとめました。慣れるまでは、この5つを確認しながらプレーすると迷いません。
- サーブが規定のエリアに入らなかった
- ツーバウンドルールを守らずにボレーした
- ノンボレーゾーン内でボレーした、またはボレー時に足が入った
- ボールがネットにかかった、コート外へ出た
- 同じ側が2回続けてボールを打った
テニス・卓球とのルール比較
ピックルボールはテニス・卓球・バドミントンを組み合わせて生まれた競技のため、経験者ほど「似ているのに違う」部分で戸惑います。とくに差が出るのがサーブまわりと得点方式です。
大きな違いは3つ。サーブは下から1本だけ、ネットインしたサーブはやり直しにならない、そして得点はサーブ側だけに入る、という点です。
| 項目 | ピックルボール | テニス | 卓球 |
|---|---|---|---|
| サーブの打ち方 | アンダーハンドのみ。腰より低い位置で打ち、パドルの先端は手首より下。ワンバウンドさせてから打つドロップサーブも可 | オーバーヘッド可。トスして頭上から打てる | 手のひらを開いて16cm以上真上に投げ上げ、台の後方から打つ |
| サーブの本数 | 1本のみ。セカンドサーブなし | 2本(ファースト/セカンド) | 1本のみ |
| ネットに触れて正しく入ったサーブ | そのままインプレー。2021年にサービスレットが廃止された | レット(やり直し)。回数の制限はない | レット(やり直し)。回数の制限はない |
| ネットに触れて枠外へ出たサーブ | フォルト。サーブ権を失う(相手に得点は入らない) | フォルト。1本目なら2本目を打てる | 相手の得点 |
| ラリー中のネットイン | 有効。そのまま続行 | 有効。そのまま続行 | 有効。そのまま続行 |
| 得点が入る側 | サーブ側のみ。レシーブ側が取るとサーブ権が移るだけ | ラリーを取った側(ラリーポイント制) | ラリーを取った側(ラリーポイント制) |
| 1ゲームの数え方 | 11点先取・2点差。10対10なら2点差がつくまで | ポイント→ゲーム→セットの積み上げ式 | 11点先取・2点差。10対10なら2点差がつくまで |
| サーブ交代 | ダブルスはペアの2人が1回ずつ打ってから相手側へ | 1ゲームごとに交代 | 2本ごとに交代。10対10以降は1本ごと |
| 独自のルール | ツーバウンドルールとノンボレーゾーン(キッチン) | フットフォールト、タイブレーク | サーブを体や腕で隠してはいけない(ハイドサービスの禁止) |
得点方式は大会によって例外があります。ピックルボールでもラリーごとに得点が入るラリーポイント制が、2026年時点では暫定ルールとして大会主催者の判断で使われることがあります。
よくある質問
サーブは1回だけですか?
はい。テニスのようなセカンドサーブはなく、失敗するとその時点でフォルトになります。卓球と同じく1本勝負なので、確実に入れることが重要です。
サーブがネットに当たって入ったらやり直しですか?
いいえ。正しいサービスコートに入っていればそのままインプレーで、テニスや卓球のようなやり直し(レット)はありません。2021年の改正でサービスレットが廃止されたためです。ただしネットに触れた後にノンボレーゾーンやそのライン上へ落ちた場合は、やり直しではなくフォルトになります。
ラリー中にネットに当たったボールはどうなりますか?
相手コートに入っていれば有効です。ここはテニス・卓球と同じで、そのままラリーが続きます。
卓球のようにラリーを取れば点が入りますか?
通常のルールでは入りません。ピックルボールはサーブ側だけが得点できるサイドアウト制です。ただし大会によっては、ラリーごとに得点が入るラリーポイント制が使われることもあります。
キッチンには絶対に入ってはいけないのですか?
いいえ。ワンバウンドしたボールを打つ場合は入ってかまいません。禁止されているのはノーバウンドで打つ(ボレーする)場合です。
レシーブ側は点が入らないのですか?
入りません。レシーブ側がラリーを取るとサーブ権が移り、そこから得点のチャンスが生まれます。
スコアコールの3つ目の数字は何ですか?
自分がペアの中で1人目のサーバーか2人目のサーバーかを示す数字です。どちらがサーブ中かを全員で共有するために使います。